Concert Report by Rob Knowles
Michael Schenker & Friends at Sin City, Swansea, U.K.
February 11, 2008
Added on 02/13/2008

Michael Schenker and Friends, Sin City Rock Club, Swansea, 11th February 2007

マイケル・シェンカーがライブを行うスワンシーの会場に着いたとき、入り口にいたのはマイケル本人であった。マイケルは、会場入りを待つ列の中で唯一私の前に並んでいた人物に対して楽しそうにサインをしていた。私はマイケルのライブを見に行くときは最前列を確保するために常に超早めに会場に行くことにしており、この日も例外ではなかった。だからこの日も私と一緒にいった友人は、公演中そしてライブが始まるまでの2時間ずっと最前列に居た。そのため、私は何が起こったかを正確に見ていた。Planet Rockに投稿されたレビューは幾つかの点で誤解を招きかねないと考える。

(1)マイケルと彼のガールフレンドと思しき女性が自らマーチャンダイズ・カウンターの世話をしていた。午後7:30〜8:30の間、マイケルは私たちと一緒にそこに居た。マイケルはマーチャンダイズ・カウンターの後ろ側に座り、サインを山ほどしていた。マイケルは、明らかに調子が良さそうで、穏やかで、幸せそうで、そして完全にリラックスし、しらふであった。彼は今回のツアー初日のSwindon公演の時と同様に元気そうで、ひげもさっぱり剃って(きちんと整えた小さなあごひげを除いて)、スリムで、力強かった。去年ステージ上をよろめいて80歳くらいに見えたマイケルとは全く違っていた。このように、すべてが順調に思われた。私は1996年シカゴでのマイケル・シェンカー・ストーリー公演のビデオを買うことができてとても喜んでいた。

(2)マイケルとそのバンドはSwindonの時よりも30分も早く演奏を開始したが、この夜は前座の公演がなかったため、マイケル登場までの間が長く感じられた。前座のバンドがいれば、待っている間に気を紛らわせることができたが、それが無いためとても長く感じた。

(3)マイケルがステージに登場する約30分ほど前から事態が怪しくなり始めた。ローディがマイケルのギターをチェックしていたが、シールドをギター側のジャックに差し込むところの接続に問題があるようだった。音が一瞬出たかと思うと、すぐに途切れてしまった。また、音が部分的に途切れてしまうこともあった。さらに、マイケルが用意してきた2本のギター両方に問題がある感じだった。ローディはそんなに心配している風でもなく、問題解決に躍起になっている感じでもなかった。彼はただコードをギターにテープで固定し、うまくいくように願っているように見えた。私のこの判断は間違っているかもしれないが。最前列にいた私たちの目にはギターに問題があることは明らかで、私はライブが始まるずっと前からそのことをそばにいた友人と話していた。私たちはマイケルがこの状況にどう対処するのだろうかと考えていた。恐らくこうして音が途切れることがチューニングにも影響したのではないかと考える。

(4)公演が始まってから、マイケルはこの状況に実際きわめて上手く対処していた。マイケルは随所で、音が途切れ始めたときにギターとコードを接続するソケット部分を素早く軽く押して(問題を修復し)、このような方法で11曲目まではあたかも問題がないかのように上手く弾き続けた。マイケルはこうした問題に対して非常に巧みに対処したため、問題があることに誰も全く気づかないほどであった。さらに、マイケルは各曲で超美フレーズを繰り出し、彼のいつもの「絶好調」の水準の演奏を行っていた。まさに感動的であった。他の人がすでにセットリストを紹介しているので、ここでは繰り返さないが、標準のセットからアンコールを抜いたものだった(つまり、Doctor DoctorとRock Bottomが演奏されなかった)。

(5)Attack of the Mad Axemanまでは事態はそんなに悪くなることはなかった。Attack of the Mad Axemanが始まったとき技術的な問題が悪化し、何とかイントロを弾こうとしたマイケルの試みはまったく上手くいかなかった。私が思うに、マイケルはこのことを恥ずべきことと感じたのではないだろうか。しかし、マイケルは再び演奏を始め、果敢にも最初のソロを弾き遂げた。しかし、再び問題が発生し、この時点で曲を立て直すのは不可能なように思えた。この時、マイケルはギターを肩から外し、激しいフラストレーションでそれを投げ捨てた。しかし、マイケルはこのときステージ脇にいて柱の影になる状態だったため、この様子はほとんどの人からは見えなかった。マイケルは、ローディの首でも絞めんばかりの感じだった。ローディは明らかに開演前にこの問題についてマイケルに警告することはしていなかった。先に述べたとおり、我々の目には、ローディは自分のやるべき仕事を完璧にこなしていないように映った。もちろん私は間違っているかもしれないが。マイケルには2004年のツアーで使っていたようなギターテクが必要なのではないだろうか?

(6)次に起こった出来事に私は驚いた。マイケルは再び戻ってきて、Attack of the Mad Axemanのアウトロをいつもより長めに弾いたのであった。彼の顔は紅潮し、とても憤慨していたものの、自分の怒りをすべてそこに注ぎ込むような強烈なソロを弾いた。その結果、マイケルが「絶好調をさらに超えた」インスピレーション溢れる瞬間の一つが訪れた。私が思うに、マイケルは何とかメインのセットをやり遂げて、その場を去りたかったのではないか。マイケル自身、その最後の数分間の演奏がいかに信じられない程素晴らしかったか気づいていないと思う。マイケルはメガネを置いてきたため、80年代初期のツアーを彷彿とさせる感じで、顔をゆがめながらソロを弾いていた。そして、マイケルは軽く会釈をして、恐らくその後間もなく会場を後にした。変な話だが、マイケルは機材の問題が原因で「悪い」演奏をせざるをえなかったと恥じていると私は思うが、観客がしばらくの間口がきけなくなる程良い演奏をし、その後大声援が沸き起こったことを認識できていないようだった。

(7)このように不機嫌なように見える状態があったし、マイケルがアンコールのために戻ってくることもなかったのは事実である。しかし、明らかにマイケルに非はなく、実際「素晴らしい」以上の演奏をした。正直なところ、マイケルはこの問題を一笑に付し、ギターをテープか何かで修復し、Attack of the Mad Axemanからやり直してセットをやり遂げることも出来たと思う。そうすれば観客も喜んだことだろう。しかし、みなマイケルはそんな人間ではないと分かっている。すべてに満足できないと、何とか問題を解決しようと苦心する。それがマイケルである。だからこそ今でも忠実なファンが離れずに付いてきているのだと思う。つまるところ彼は、我々と同じように完全無欠の人間ではない。今回の一件は、つまらないことでの空騒ぎであり、特にその辺にギターショップがあれば回避できたことである。ギターテク/ローディがバンドに対して公演前に問題を警告することが出来たはずであり、必要であれば新しいギターを調達することもできたかもしれない。観客の中にはDeanのシェンカーモデルを持ってきている人物もいたから、それを使う選択肢もあったかもしれない。

(8、最後に)この日もバンドの演奏は素晴らしかった。終始とてもタイトな演奏であった。マイケルのギターで他の音がかき消されてしまうため、途中でLief Sundinがボーカルの音を上げてほしいと頼んでいた。とにかくマイケルは問題なかった。しっかりすべきは彼の技術チームであるように思えた。Planet Rockに投稿されたレビューがお決まりのマイケル批判への性急な流れの誘引となっているようだが、技術チームに関するこうした観点はそのレビューでは強調されていなかったと思う。

原文

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