U2/ヨシュア・ツリー (1987)

U2が87年に発表した5枚目のアルバムである本作は、彼らの最高傑作と言える作品であり、彼らの世界的な人気をも決定づけることにもなった。全米・全英でNo.1を記録し、グラミーでもアルバム・オブ・イヤーを獲得した。シングルでも「With Or Without You」と「I Still Haven't Found What I'm Looking For」が全米No.1を記録した。重厚さと格調高さにあふれる本作は、宗教的な匂いも漂わせたまさに壮大なメッセージアルバムである。「Bullet The Blue Sky」ではアメリカによるエルサルバドル、ニカラグア侵攻に対するプロテストの姿勢を見せ、「Red Hill Mining Town」では炭坑ストライキをテーマにする等、あいかわらず社会性の強い硬派的側面が出ている。このアルバムによってU2は単なるロックバンドを超えた一種神格化された存在として語られることとなった。このアルバムに関して忘れてはいけない重要な要素は、何といってもエッジのギタープレイの素晴らしさである。ディレイを駆使した彼独特のスタイルは、「Pride (In The Name Of Love)」でもその片鱗を見せていたが、その唯一無二のスタイルは本作で完全に確立したと言えるであろう。中でも「Where The Streets Have No Name」のイントロにおける荘厳なギタープレイはまさに圧巻である。ついつい速弾きやテクニカルプレイに走ってしまうギタリストは多数存在するが、エッジはまさに自らの道を進んだといえるであろう。