Led Zeppeline IV/Led Zeppelin (1971)

その素晴らしさからして、本ページに登場するのがあまりに遅すぎた本アルバムであるが、このアルバムにはバンド名もアルバム・タイトルもクレジットされておらず、4作目であることから「Led Zeppeline IV」あるいはそのロゴから「Zoso」と呼ばれている。ジミー・ベイジの説明によれば、先入観を持たずに音楽を聴いて、心から気に入った人たちがこのアルバムを愛してくれればいいと考えたという。本アルバムは、彼らの1作目から3作目をさらに発展させ、レッド・ツェッペリンの美学を完成させたものと言える。その最大の特徴は何といっても、静と動の見事な対比である。シングル・ヒットしたハードロック調の曲「ブラックドッグ」と「ロックンロール」といった動の曲と、「限りなき戦い(The Battle Of Evermore)」といった静の曲があると同時に、一曲の中に静と動を巧みに混合させるという彼ら独自の姿勢を示した「天国への階段」というロック史に残る名曲も含まれている。ジミーページのギターワーク、ロバートプラントのシャウト唱法、ボンゾのドラミング、ジョン・ポール・ジョーンズのマルチタレントぶり・アレンジ等すべての点において円熟味さえ感じられた本アルバムは、234週間も全米アルバムチャートにランクされた。



Dreamboat Annie/Heart (1976)

ハートの中心メンバーである美人姉妹アンとナンシーは昔から私のスーパーアイドルである。中学生時代には彼女らの写真を生徒手帳に入れて常に肌身はなさず持ち歩いていたものだ。しかし、このウィルソン姉妹は単に美人というだけではなく、音楽的な才能にもすばらしいものがあった。それはハートのデビューアルバムである本アルバムの中でも遺憾無く発揮されている。ハートの音楽はまさに70年代の伝統を受け継いだ正統派のハードロックであり、特にレッド・ツェッペリンの影響を色濃く受けている。ハートの最大の特徴は、アンの男勝りの強力なシャウト唱法を活かしたハードで力強いロック的側面とナンシーのアコースティックギターを強調したメローな側面を緩急自在に表現する彼らの独自の音楽性であろう。この点でもツェッペリンの影響が感じられる。こうした彼らのスタイルは本アルバムの中ですでに見事に確立されている。そして彼らはそのスタイルを今でも守り通している。アンの時に甘く特に激しく迫ってくるボーカルにはいつも身震いを禁じ得ない。一方、ナンシーは特にアコースティックギターについてはすばらしい演奏能力を有しており(最近はシンガーとしてもすばらしいが)、「Crazy On You」のイントロ部分の彼女のプレーは傑作である。本アルバムの中でも最も70年代ハードロック的な雰囲気を持つ「Sing Child」を必聴曲に挙げたのでチェックしてほしい(削除)。

必聴曲!! :「Sing Child」 (Real Audio File)



シーサイド・ラブ/エア・サプライ (1981)

グラハム・ラッセルとラッセル・ヒッチコックという2人のオーストラリア人シンガー/コンポーザーを中心とするポップ・ロックユニットであるエア・サプライのこのアルバムは、前作の「ロスト・イン・ラブ」に続いて大ヒットを記録し、リトル・リバー・バンドとともに全米にオーストラリアン・ロック旋風を起こすことになった。本アルバム収録の「The One That You Love(シーサイドラブ)」はビルボード1位、「Here I Am」は同5位、「Sweet Dreams」も同5位を記録した。ひたすら涼しく、透明で、ライトな肌触りののポップミュージックを繰り広げるエアサプライであるが、彼らの最大の特徴は、ラッセル・ヒッチコックのよく通る美しいハイトーンボイスとそれとは対照的なグラハム・ラッセルのハスキーボイスとのコントラストであろう(実際、なぜ「The One That You Love」の邦題が「シーサイド・ラブ」になってしまうのか理解に苦しむところだが、それほどまでに彼らのイメージが先行していることの証であろう)。当時、ラッセル・ヒッチコックの歌声を聞いて、こんな声で歌えたら幸せだろうなとうらやましく感じたものである。また、多くの楽曲を作曲しているグラハム・ラッセルの作曲能力も高く評価できる。彼ら自身が認めているように、彼らが成功した背景には、「キャッチーでメロディックな楽曲、1曲が長すぎないこと、歌詞が複雑すぎないこと」があろう。誰もがすぐに口ずさめる彼らの曲はカーオーディオでドライブ中に聴くには最高である。このようなポップな側面が強いエア・サプライであるが、6曲目の「Sweet Dreams」のギター間奏にマイケルシェンカーの影響(火星の風景)を感じるのは私だけであろうか?