Strangers in the Night/UFO (1979)

本アルバムは、ロック史上最高のライブアルバムの一つに数えられるものである。アルバム収録時、マイケル・シェンカーはまだ若干23歳であったが、すでにベテランのプロギタリストであり、テクニック的にも熟練の域に達していた。彼の本アルバムにおける数々のインプロビゼーションソロは起承転結もあってパーフェクトなソロであり(人間わざじゃないよ!)、その音色も驚異的に素晴らしい(クライベイビーは使っているもののの、その後のマイケル・シェンカー・グループ時代とは異なり、演奏中に微妙に変化を持たせることはあまりせず、ちょうど聴衆の鳥肌を立たせる音色を生み出す位置にクライベイビーを固定しての演奏が多かった)。 ソロプレイとギタートーンの両方に私はノックアウトされてしまった。このアルバムにおける彼のギタープレイは今でも私の教科書となっている。「ロックボトム」におけるマイケルのソロはロック史上最高のソロの一つであり、まさに「燃えたるギター」を体現していた。アルバム収録当時、マイケルが精神的に最悪な状態にあったとは信じられない。このアルバ収録後、マイケルはUFOを脱退してしまったが、マイケルが復帰したUFOが1995年に来日した際、このアルバムとほぼ同じセットリストで公演を行った。そのコンサートを見られたのは本当にラッキーであった。



黙示録/Michael Schenker Group (1982)

私の一番好きなギタリストが私の一番好きなシンガーと出会った。言い換えるならば、世界最強のギタリストと世界最強のボーカリスト(そう思っているのは私だけ?)との共同作業によって作り上げられたのが本アルバムである。言うまでもなく、「神」マイケル・シェンカーと「ミスターヴォイス」グラハム・ボネットのことである。このアルバムにおいて初めて実現したこの夢のような組み合わせから悪い音楽が生まれるはずがない。このアルバムにおける「神」のギターのトーンは最高にクールであり、Herco社製ピックを用いたマイケルの強烈なゴリゴリピッキングとクライベイビーの微妙なコントロール(そしてもちろん50Wマーシャルも)から生み出されるトーンは時にナイフのように鋭く、時にとろけるように甘い。本アルバムにおいてマイケルが繰り出すリフそしてインプロビゼーション・ギターソロはともに、MSGの全スタジオアルバムの中でも最高である(なぜこんなかっこいいフレーズを次から次ぎへとインプロバイズできるのか信じられない、まさに神懸かり的なソロである)。また、楽曲そのものの質についてもMSGがこれまで発表した全アルバムの中で一番であろう。マイケルとグラハムが互いの意見の食い違いからこのアルバムだけを残して別れてしまったが、これは世界史上もっとも不幸な出来事であると言わざるをえない。誇張のし過ぎ? 決してそんなことはないはず。



The Beatles (The White Album)/The Beatles (1968)

「サージェント・ペパーズ・・・」をベストアルバムに挙げるビートルズファンは多い。もちろんビートルズのベストアルバムを一つだけ選ぶことが至難のわざであることに異論を唱える者はいないであろうし、また一つだけ選ぶことに大きな意味があるとも思えないが、敢えて言うならば、私はこのホワイトアルバムを一番に挙げたい。その理由は単純明快である。それはこのアルバムが2枚組だからである。つまり、史上最高のグループといっても過言ではない天下のビートルズによって作られた曲の数が普通のアルバムの2倍も収録されているのである。もちろん曲そのものの水準も高く、特にポールの能力がこのアルバムで大きく開花したと言えるであろう。ポールはこのアルバムのために、「Blackbird」、「Rocky Racoon」、「I Will」、「Mother Nature's Son」といった偉大なアコースティック作品を作り上げた一方で、ヘビーメタルの原型とも言える「Helter Skelter」というとんでもない作品も生み出した。全体的にはポールが目立っているアルバムと言えようが、無論他のメンバーも頑張っており、ジョンもその反体制・反骨精神がよく反映された名曲「Revolution」や「超」前衛的な「Revolution 9」といった楽曲を提供し、ジョージも最高傑作「While My Guitar Gently Weeps」を残している。